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屋根の塗装費用を節約したい
スレート屋根を長持ちさせます!
棟換気システムの採用により、下地材の寿命が大幅にアップします
スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)は維持費がかかって困りものとお考えの方へ
スレート屋根には維持費がかかるものと、あきらめていらっしゃいませんか?
10年ごとに屋根のペンキを塗り替える費用を節約したい。
屋根のペンキ塗り替えは本当に必要なのかしら?
もっと違うところに家計費を使いたい。
新築の時はきれいだったスレート材(コロニアルまたはカラーベストとも言います)も、築後の年数を重ねるうちに、だんだんと苔が生えてきたり、白っぽく変色してきたりします。
塗り替えが10年に一度と言っても、10年ごとの大きな出費は今の時代かなりの重荷です。できれば、余計な出費はせずに将来のための蓄えに回したいものですね。
(注)以下で申し上げる内容はペンキの塗り替えが必要ないということではなく、ペンキの塗り替えは美観の維持には必要ですが、スレート材の耐久性とはあまり関係がないということです。そして、スレート材の場合は美観以上にその下地材の状況に配慮していただきたいと言うことを申し上げるものです。
スレート屋根の塗装は美観維持のためのものです
スレート材の塗装は美観維持のためには必要ですが、この写真の状態になっても雨漏りすることはありません
塗り替えが必要なのはトタンの部分だけですから、10年ごとの塗装費用を減らすことも可能です
- 測定時
- 出荷時
- 5年
- 10年
- 15年
- 20年
- 28年
- 35年
- 吸水率(%)
- 13.7
- 13.7
- 13.9
- 13.3
- 13.8
- 11.7
- 12.4
- 曲げ荷重(N)
- 218
- 217
- 221
- 223
- 215
- 214
- 211
表はスレート屋根材の製造メーカーの性能試験の結果です。雨漏りに関係するのは吸水率です。この数値が大きく上昇すると、雨が屋根材を浸透してしまい雨漏りを起こす可能性があります。
(データはケイミュー株式会社のコロニアルクアッドの試験データです。同社ホームページの数値から引用しています。)
若干の上昇、下降を繰り返していますが、このデータで大事なのは、35年経過した時点でも出荷時の吸水率を大きく上回ることがない、ということです。つまり、メーカーのデータからは再塗装しなくても雨漏りしないと読み取ることができます。
もうひとつ、曲げ荷重は、曲げる力を加えたときにどの程度の力を加えたときに「ポキッ」を折れるかを表し、数値が大きい方が丈夫であることを表します。これも15年頃をピークに下降をはじめますが、出荷時とあまり変わらない数値であることから、強度面でも問題ないことが分かります。
このデータからは、スレート材は鉄板や材木とは違い、ペンキを塗り替えることで長持ちするようにはならないということが言えると思います。注意しなければならないのは、下地材の維持についてです。
スレート屋根の維持には、ペンキの塗り替えではなく「棟換気システム」が有効な場合が多いと思います
Point 1
スレート屋根の弱点は下地材の腐朽。 棟換気システムがこの弱点を補います。
- 棟換気システム
万能な屋根材はありません。全ての屋根材がそれぞれに一長一短を持っています。スレート材は屋根を軽量化できる大変優れた屋根材ですが、残念なことに、それゆえの問題点も持ち合わせています。
素材を薄い板状にすることで軽量化に成功しましたが、屋根の下地材に直接「ぺたっ」と接するように施工する必要があります。ですから、真夏の日射による高温の空気や、冬の時期に結露の原因になる湿気が中にこもり易くなっていて、下地材の寿命に影響を及ぼす可能性があります。
年間で1日や2日であれば問題ないと思いますが、こういった状態が毎日繰り返されることによって、下地材の強度に影響を及ぼす可能性があります。耐震性に優れた屋根材ではありますが、その長所ゆえの問題点もあるわけです。
この問題を解決するためには、熱気や湿気を外に排出してしまえばこれらを補うことができます。温まった空気は上昇して棟の下に集まります。そして棟の部分に取り付けた棟換気システムから熱気や湿気が排出されます。
真夏に高温になるスレート屋根の下地材の温度を下げることができます
画像は実験施設で夏の日射時に瓦とスレート材の下地材温度をサーモグラフで測定した結果です。
夏の昼間のように日射が強くなる時にはスレート材の下地材は温度が高温になり、日没とともに急速に外気温に近くなって行きます。スレート材の下地材は、このような急激な温度変化を毎日繰り返します。
棟換気システムの設置は、夏の真昼に密閉された部屋で、窓を開けるという行為に該当します。私たちにとって快適になるわけですから、下地材にとっても同様の効果があります。
Point 2
スレート屋根の下地材に結露を引き起こす湿気を外に排出することができます
グラフは冬季の暖房された状態の住宅を再現して、下地材が結露するかどうかを試験した結果です。グラフ中で「黒色・スレート板」という呼称で示されているのがスレート材です。
このうち、結露したかどうかを表すのは相対湿度です。3種類の屋根材を比較していますが、100%を超えて結露に至ったのはスレート材のみです。
このことは、屋根の下地材に「ぺたっ」と直接接して施工しなければならないスレート材の場合は、湿気が一度中に入ってしまうと、湿気がなかなか抜けないということを表しています。ですから、この湿気を外に出してあげればいいわけです。
棟換気システムの設置は、沸騰したお鍋のふたをとってあげる行為にも該当します。
(注) point1およびpoint2の資料は愛知県陶器瓦工業組合にて作成された「瓦はすごい 瓦の性能を科学する」の中で掲載された資料を引用させていただきました。
Point 3
スレート屋根の下地材が腐朽した場合の症状です
スレート材から雨漏りした形跡は全くありません。従って、下地材がこのように皮がめくれてしまった状態になったのは、夏の日射を受けて下地材が高温にさらされたことと、湿気にさらされたことによるものと考えることができると思います。
実は、最近スレート屋根の下地材は構造用合板と呼ばれる、薄くスライスした木材を接着剤で張り合わせた木材を使用するようになっています。
無垢の下地材とスレート材の組み合わせはあまり例がないのでわかりませんが、構造用合板との組み合わせの場合はこういった状況になりやすいです。
私たちは屋根工事で109年の経験を持っております。この間に、様々な屋根材が商品化されました。
その中で感じたことは、万能な屋根材というものはなく、それぞれが一長一短を持っているということです。しかも、一度載せてしまった屋根材を葺き替えるということも大きな決断が必要なことですし、上手に手入れして行くことが大事ではないかと考えています。
お客様のお住まいの屋根にどんな手入れが必要で、どんな手入れが必要ないかという観点からアドバイスをすることが可能です。私たちの経験と知識を上手に活用していただきたいと思います。