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太陽光発電は元がいつとれるか
太陽光発電は収支をきちんと計算したうえで、設置を決定されるようにお勧めしたいと思います。このページでは、一般的な例において太陽光発電の損益分岐点(償却期間)を計算することを主眼としていますので、埼玉県地方の平均値を利用しています。
太陽光発電が儲かるかという観点においては、投資が回収されるまでの期間が長いことを十分に考慮していただきたいと思います。あくまでも環境に対する配慮が目的の製品であるとお考えください。
以下の計算結果では 8年と4.9か月
- 最近は自治体からの補助金が早期に終了してしまう例が多く最短の場合であるとお考えください
- 金額が軽微であるため、電力会社が請求する燃料調整費は加味していません
太陽光発電は元がいつ取れるか、の計算にあたっての基本的考え
太陽光発電システムでどれくらいの期間で元が取れるかについては様々な計算方法がありますが、あくまでも太陽光発電システム自体の発電効果に絞って計算結果を算出していますので、導入後に売電するために節電したであるとか、オール電化の導入に基づいて使用電力量が減少した、といったような2次的な効果については検証の対象から外してあります。
計算方法
次項目からの計算内容の概略を以下のとおり記載します。
- 元が取れるまでの月数 = (太陽光発電システムの導入に伴う費用) / (太陽光発電の導入に伴う一か月間の収益)
- 太陽光発電の導入に伴う一か月間の収益 = 売電する発電量の経済効果 + 自家消費する発電量の経済効果
- 自家消費する発電量の経済効果 = 導入前の1か月間の電気料金 - その家庭で太陽光発電システムを導入後の1か月間の電気料金
太陽光発電の導入に伴う費用の算出
太陽光発電システムの設置要領と価格
ここで用いる数値は太陽光発電普及拡大センターが発表している平均値を用いています。したがってこの金額よりも高いケースや安いケースが存在します。
521,000円/kW x 4.05kW=2,110,050円
- 設置容量
- 4.05kW(平成23年度 埼玉県平均)
- システム価格
- 521,000円円/kW(平成23年度 全国平均)
- ここでの価格には製品価格、太陽電池モジュールの屋根への設置費用や電力会社への申請に始まる電気工事などのすべての工事費用を含むものとします
- いずれも平成23年度の太陽光発電普及拡大センター数値より
国及び各自治体から支給される補助金
各自治体から支給される補助金は、最近募集と同時に予算に達して受給できないケースが増えていますが、計算上ではすべての補助金を受給できたものとして算出しています。
- 国
- 30,000円/kW x 4.05kW=121,500円
- 埼玉県
- 100,000円
- 深谷市
- 30,000円/kWh x 4.05kW=121,500円
- 合計金額
- 121,000円+50,000円+121,000円=292,000円
補助金の需給にあたっては千円未満を切り捨てとします。
- 国
-
システム設置にあたってのkw価格によって異なります
-
- 47.5万円超55万円以下
- 30,000円/kW
-
- 47.5万円以下
- 35,000円/kW
-
- 埼玉県
-
システム容量によって異なります
-
- 4kW以上
- 10万円(定額)
-
- 2kW以上4kW未満
- 5万円(定額)
-
- 深谷市
-
-
- 設置容量1kwにつき
- 3万円(最大12万円)
-
太陽光発電の導入に伴う1か月間の収益(収入)の算出
計算にあたっては経済効果を以下の2つに分けて考えることとします。
- 売電する発電量の経済効果
- 自家消費する発電量の経済効果
売電することによる経済効果に関心がゆきがちですが、自家消費した分についても本来電力会社に支払うべき電気代を支払わなくてすむわけですからりっぱな経済効果があります。
売電する発電量の経済効果の算出
晴れた時間に発電し、なおかつ自家消費せずに電力会社に売ることができる1月あたりの電力量を求めます。
4.05kW x 170.2h x 70%=482.5kWh
(本来、システム容量 x 日照時間が発電量になりますが、実際にはその70%程度の発電量しか得られません)
482.5kWh x 58%=279.9kWh
(電力会社に売ることができるのは発電した電気の一定割合のみです)
279.9kWh x 42円/kWh = 11,754.1円---(A)
- システム平均設置容量
- 4.05kW (埼玉県平均)
- 月あたり平均日照時間
- 170.2h (埼玉県平均)
- 公称最大出力に対する実際の発電割合
- 70%(全国平均)
- 売電率
- 58%(埼玉県を含む地域の平均)
- 売電価格
- 42円(2012年10月時点)
- システム平均設置容量は平成23年度の太陽光発電普及拡大センター数値より埼玉県の平均値
- 日照時間は気象庁ホームページの気象統計数値で熊谷地方の平均値
- 自家消費率は、財団法人新エネルギー財団統計数値で埼玉県を含む地域の平均値で、各家庭により異なります
自家消費する発電量の経済効果の算出
平均的な家庭の1か月間の電気料金と、その家庭で太陽光発電システムを取り入れた後の電気料金をそれぞれ算出し、その差額を自家消費する発電量の経済効果とします。
導入前の1か月間の電気料金の算出
5,650kWh / 12=470.8kWh
(一世帯当たりの年間総消費電力量 / 12か月)
導入前の1か月間の電気料金=11,771.3円
(東京電力の料金表・従量電灯Bを適用)
- 一世帯当たりの年間総消費電力量
- 5,650kWh(全国平均)
- 一世帯当たりの年間総消費電力量は太陽光発電協会統計数値
- 従量電灯Bの料金表は2012年10月1日時点での数値
導入後の1か月間の電気料金の算出
一世帯当たりの月間総消費電力量=470.8kWh
(上段ピンク色の表題下の枠内で算出)
4.05kW x 170.2h x 70%=482.5kWh
(本来、システム容量 x 日照時間が発電量になりますが、実際にはその70%程度の発電量しか得られません)
482.5kWh x 42%=202.7kWh
(自家消費することで電力会社から購入せずに済む電力量。統計上、埼玉県地方では42%を自家消費しています。)
470.8kWh - 202.7kWh=268.1kWh
(導入前の消費電力量から自家消費する発電量を引いて導入後の電力量を算出)
導入後の1か月間の電気料金=5,998.5円
(東京電力の料金表・従量電灯Bを適用)
- システム平均設置容量
- 4.05kW (埼玉県平均)
- 月あたり平均日照時間
- 170.2h (埼玉県平均)
- 公称最大出力に対する実際の発電割合
- 70%(全国平均)
- 自家消費率
- 2%(埼玉県を含む地域の平均)
- システム平均設置容量は平成23年度の太陽光発電普及拡大センター数値より埼玉県の平均値
- 日照時間は気象庁ホームページの気象統計数値で熊谷地方の平均値
- 本来、システム容量 x 日照時間が発電量になりますが、実際にはその70%程度の発電量しか得られません
- 自家消費率は、財団法人新エネルギー財団統計数値で埼玉県を含む地域の平均値で、各家庭により異なります
- 従量電灯Bの料金表は2012年10月1日時点での数値
自家消費する発電量の経済効果の算出
太陽光発電システム「導入前の1か月間の電気料金」と「導入後の1か月間の電気料金」の差額を算出し、「自家消費する発電量の経済効果」とします。
導入前の1か月間の電気料金=11,771.3円
(上段太字の部分で算出)
導入後の1か月間の電気料金=5,998.5円
(上段太字の部分で算出)
自家消費した発電量の経済効果
=11,771.3円 - 5,998.5円 = 5,772.8円---(B)
この計算の過程では燃料調整費が加味されていませんが、少額であるため除外してあります。
太陽光発電は元がいつとれるか?の算出
太陽光発電による一か月間の収益
= (A) + (B)
= 11,754.1円+5,772.8円=17,526.9円
(太陽光発電の導入に伴う一か月間の収益 = 売電する発電量の経済効果 + 自家消費する発電量の経済効果)
(2,110,050円- 342,000円) / 17,526.9円 = 100.9か月
太陽光発電導入に伴う費用から補助金総額を控除して実質費用を計算し、一か月間の収益で割ることで償却期間を計算しています
- 太陽光発電導入に伴う平均設置費用
- 2,110,050円(平成23年度埼玉県平均 4.05kW)
- 上記導入に伴う補助金の合計
- 342,000円(平成24年度)
- 太陽光発電導入に伴う平均設置費用は太陽光発電普及拡大協会の平成23年度数値