工事内容、工期、予算(費用・価格)等の基本データ
隅棟端部の漆喰欠落箇所を補修
塞がっていた入母屋屋根のトンネルも開通させました
熊谷市 O様
入母屋屋根の隅棟は、本来雨水が流れる桟瓦の上を横切って施工されます。
トンネルは本来、雨水が流れるべきスペースを作り出す重要な役目を持っています。
今回の工事のポイント
お客様はこの様にお考えでした
1屋根の上から漆喰が落ちてきたので屋根が大丈夫か心配
30年位前までは棟を積むときに泥を使っていました。この工法の場合、漆喰は泥を雨水から保護する役目を担っていましたので、すぐに雨漏りにつながるわけではありませんが、注意が必要です。
2漆喰の他にも問題があるところがないか見て欲しい
O様のお宅は2014年の大雪の後で雪止めの設置で伺いましたが、それから4年半。念のため漆喰以外の個所も点検させていただ来ました。
棟の漆喰が剥がれて落ちてきてしまった。範囲が広がる前の迅速なお手入れが修理費の削減につながります。
隅棟端部の漆喰の塗り替え作業の様子です
隅棟端部の漆喰塗り替えが数か所あった為、修理前と修理後で画像が異なっております。
修理前画像の赤丸で囲んだ白い部分は漆喰が残っている部分。それ以外は漆喰が剥がれ落ちて泥の部分を覆う漆喰下地が露出している状態です。
今回は早めにご対応いただいたため、漆喰下地をそのまま利用することができ、白く残っている漆喰を除去した後、漆喰下地の上に新しい漆喰を上塗りすることができました。
- 塗りなおし前の漆喰の状態
- 塗りなおし後の漆喰
Tips 漆喰の塗りなおし時期 |
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写真は漆喰が剥がれた状態のままの棟です。 連続していることで隣の部分とつながって強度を維持するのですが、1か所が欠けることで欠けた隣の部分も剥がれやすい状態になってしまいます。 1か所が剥がれてしまった状態の時に修理しておくのが、漆喰の修理や塗りなおしの費用を激安にする秘訣と言えます。 |
入母屋屋根のトンネル開通作業。入母屋屋根の雨漏り防止のポイントの一つです。
入母屋屋根のトンネルとは
入母屋屋根の拡大画像で赤丸で囲んだ部分にトンネルがあります。
入母屋屋根の隅棟は瓦の上を斜めに横断する位置に積まれるため、そのままでは隅棟の上から流れてきた雨水を堰き止める格好になり、堰き止められた雨水は逃げ場を求めて瓦の下に回り込み、雨漏りを引き起こしてしまいます。
そこで、隅棟の下に断面が半円形の「丸」という役物を上に凸の格好で設置することでトンネルを作り、そこから隅棟の上から流れてきた雨水を隅棟の下に配水する工夫をしています。
赤丸の下にはトンネルから排水された雨水が通った跡が筋になって残っているのがお分かりいただけますでしょうか?
- 入母屋屋根
- 入母屋屋根の拡大画像
トンネルを掃除しました
上の画像では軒先側からトンネルを見ていますが、今回は棟側から見ています。
掃除前のトンネルには、剥がれた漆喰や泥がトンネル内にありますが、これらをきれいに掃除しました。
この時点では、トンネル内に雨水が溜まってしまい雨漏りを起こすような状態にまで至っていませんが、この状態を放置していると風で飛ばされてきた泥などが一層堆積して、トンネル内に草が生えてくるような事態を生じます。
もし、このような状態に至った場合はトンネル内の掃除が必要です。
熊谷市周辺の北関東では冬場の北風で群馬県あたりから飛ばされてきた泥が大量に飛んできますので注意が必要です。
- 掃除前のトンネル
- 掃除後のトンネル
Tips 埼玉県熊谷市近隣の瓦 |
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写真は埼玉県熊谷市周辺で生産された瓦です。 かつては、愛知県、兵庫県、島根県に続き全国生産高で4位を誇った大生産地でしたが、機械化や生産体制の整備がうまく行かず、生産高が減少しています。 しかしながら、全自動方式の生産方法にはない色合いの良さから現在でも根強い人気があります。 |
工期、予算(費用・価格)等のまとめ
工事の内容
- 棟
- 隅棟端部の漆喰が剥がれてしまったため、既存の漆喰を撤去し塗りなおしました。
- 平葺き
- トンネルの掃除をして雨漏り防止の作業をしました。
- その他
工期、工事費用等の内容
- 工期
- 1日間
- 費用
- ~5万