工事内容、工期、予算(費用・価格)等の基本データ
段差の付いた棟を修理
母屋の方で動いていた桟瓦も並び替えました
埼玉県加須市 S様
若干早めでは?くらいでメンテナンスされるのがお得。
屋根は常日頃のメンテナンスが大切です。
今回の工事のポイント
お客様はこの様にお考えでした
1長持ちするように良く直してほしい
地震の影響で棟の一部が下がったと思われる為の今回の修理ご依頼でしたが、予算の関係で基礎から直すという案は早い段階で不採用となりました。が、「良く直す」という観点から棟を積み替えるという手段も有力候補でした。最終的には点検の結果から棟自体はしっかりしているため、下がっている部分を積み替えて修理する、という当方の案をご採用いただきました。
2そのほかの部分も一回り点検してほしい
棟の修理は「離れ」のお住まいでしたが、立派な母屋も築後年数が経過していることもあり、一回り点検。動いていた瓦も並べなおして無事に修理を完了いたしました。
3ご発注いただけた決め手
以前も息子さんのお住まい新築の際にお世話になり、仕事内容にご満足いただいていたことから、今回の修理も私たちに仕事をご依頼いただきました。
棟の高さ調節は一番下の段から対策しました。従って、一部は全段積み替えとなりました。
修理前の棟の状態です

赤丸で囲んだ場所が棟のピークで赤丸から左側は平らですが、右側に行くにしたがって棟が下がり気味です。
ピーク部分のみ一番上に積んである「丸」という役物を削って高さを下げるだけでは対処しきれないと判断しましたため、右側の下がり気味の部分を一番下から積み替えて高さ調節することになりました。
修理後の棟の状態です

修理前と同じ部分に赤丸を施しています。黒い漆喰部分が一番下の部分から積み替えた棟です。
一番下の部分から一気に高さを調節することが難しかったため、1段ごとに少しずつ高さを調節しました。
これまでの段差を完全に解消することができました。段差が生じた部分が局所的であったため一部の積み替えで対応することができました。
余談になりますが、昔はこのお客様のお住まいの様に、極力棟を低くとることが一般的でしたが、現在はもう少し高くとるようになっています。
今回のお客様の様な切妻屋根の場合は関係ありませんが、寄棟屋根の場合は雨漏りの原因になることがあるからです。この件については機会を改めて記事にしたいと思います。
母屋の方も一回り点検を実施。日頃、屋根を見つめることは少ないですが、ちょっとの気遣いが長持ちさせるか否かの分かれ目です。
めくれた瓦の並びを直しました
この様に瓦が数枚ずれていたからと言ってすぐに雨漏りするわけではありません。
ですが、日頃のちょっとした屋根に対して関心を持つ事が屋根の寿命を左右することがあります。
最近は屋根の下地材の性能が向上したため、すぐに雨漏りするようなことはありませんが、気づかないところで屋根を傷める原因が発生していることがありますのでご注意ください。
葺きなおす前 | 葺きなおした後 |
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S様のお住まいです

お住まいの内部の撮影は遠慮させていただきましたが、屋根は今はあまり目にすることの無くなった様式です。
お部屋のつくりも床の間、付書院、数寄屋風の様式と、住宅建築の仕事に携わるものとして、なんとも羨ましい限りです。
現代風の機能重視のお住まいも快適な生活をもたらしてくれると思うのですが、こういった落ち着いたお住まいも、生活に「くつろぎ」をもたらしてくれるのではないかと思います。
工期、予算(費用・価格)等のまとめ
工事の内容
- 棟
- 段差が生じた棟の高さを調節し、平らな棟を実現しました。
- 平葺き
- ズレた桟瓦も元通りに整列し原状復帰完了です。
- その他
工期、工事費用等の内容
- 工期
- 2.5日間
- 費用
- 5~10万