HOME施工例平板瓦を使った洋風住宅

施工例

伊勢崎市 平板瓦を使った洋風住宅

現代住宅は常に工法が進化してゆきます

東日本大震災をはじめとして、大きな災害のたびに住宅建築の世界は工法が見直されてゆきます。今回は伊勢崎の新築工事のお住まいを例にとって、現代の住宅はどんなところに配慮されて作り上げられてゆくのかをご紹介したいと思います。

タイトル

現代的なデザインに耐震性を加味して!

これまでのお住いからランクアップ

伊勢崎市 T様邸

これまでお住まいの土地に新たにお住まいを新築することに。
耐震面を考慮されて早めの葺き替えを決断されました。

大きな地震に襲われても屋根が壊れることはありません

東日本大震災で古い住宅では瓦屋根が損傷を受ける例も見られました。この問題について現代工法では以下のような対策をとっています。

棟木(105mm*105mmの構造材)に「強力棟」という金具を釘止め

「強力棟」に30mm*40mmの木製の部材を釘止め

この釘止めした木製の部材に棟瓦を釘止め

結果として、棟瓦はすべて棟木に固定されていることになります。このため、東日本大震災を上回る規模の地震に襲われても被害が出ることは決してありません。

棟瓦を強力棟を用いて施工する過程

瓦が破損しても差し替えまでの間に雨漏りしません

屋根の下地材の画像

瓦が破損するなど、まさかの時に雨漏り防止の役割を果たすのがルーフィングシートです。現在は様々なタイプの製品が開発されていて、その性能も非常に高くなっています。

総じて言えるのは、破れたりしてルーフィングシートに穴が開くことによって雨漏りが発生することから、破れにくく穴が開きづらいものが多く用いられるようになってきました。

その中でも特に性能の高いものが写真のような製品です。瓦を固定する役割を果たす「瓦桟」ですが、瓦が破損したときなどには侵入した雨水が瓦桟の部分で溜まってしまい、雨漏りの被害を拡大してしまいます。

そこで、瓦桟とルーフィングシートの間にほんの僅かですが隙間(3mm)を設けてこの部分に雨水が溜まることを防ぐ製品もあり、今回の工事で使用しました。

お客様より

H様自宅

東日本大震災の後の新築で、やはり耐震性のことにずいぶんと関心が高まりました。当初は日本瓦も考えたのですが、子供の意見もあり洋瓦を採用することになりました。

全体的にあっさりとした雰囲気になるように希望しておりましたので、平らな瓦で軽いデザインに仕上げていただき、私たちの希望通りの屋根になったと思います。

飯島さんに言われるまであまり屋根を意識してみることが少なかったのですが、まっすぐに瓦が葺かれているのを見ると本当に気持ちがいいですね。自分の家の屋根を誇らしく見ることができます。

完成までにはまだかなり時間がかかりますが、丁寧にやっていただきまして本当にありがとうございます。

担当者より

担当者写真

T様、お褒めのお言葉をいただきましてありがとうございます。

現在は瓦の種類も非常に多様化してまいりまして、私たちも全部の種類を把握していないのではないかと感じるくらいです。今回使わせていただいた製品は平板の中でも最も凹凸の少ない製品です。

一口に平板と申しましても、山が2つあるものや凹凸のかなり大きなものがあるため、受ける印象がかなり変わってしまいます。ですから、ご要望に沿った製品をおすすめすることができて本当によかったと思います。

耐震性の問題については、強力棟を用いた今回の工法は全瓦連のガイドライン工法としても採用されるとともに、メーカーの試験においても推奨される工法でございます。技術の進歩とともに工法も日進月歩の感がございます。これからも精進を怠ることのないように頑張ってゆきたいと思います。今回はいろいろお心遣いいただきまして、本当にありがとうございました。

今回の工事のポイント

ご要望タイトル画像お客様はこの様なご要望をお持ちでした

ご要望1

1あっさりした印象の屋根にしたい

お子様のご要望で洋瓦に決定しましたが、デザイン的には軽くてすっきりした印象の屋根にしたいとのご要望でした。

ご要望1

2地震に対応した住まいにしたい

東日本大震災のこともあって大きな地震に対して不安をお持ちでした。最近大きな災害が続いていたこともあり住宅建築においても工法が格段に進歩しています。

平板瓦の採用で全体的にすっきりした印象に。それ以外にもきれいに見えるように工夫してあります。

葺き替え工事のポイント

平板瓦にもさまざまな種類があります

凹凸が少ない平板瓦と凹凸がはっきりした平板瓦

一般的にはすっきりと軽く屋根を見せる場合は平板瓦を使うことになります。

しかしながら、現在では商品開発が進んで様々な形状の瓦が製品化されていますので、何種類かのご提案をしてその中でご選択いただくことになります。

掲載写真では、ほとんど同じような形をしていますが、左の製品の方は凹凸がほとんどありませんが、右の製品の方ははっきりとした凹凸があります。

凹凸が少ない方があっさりしたデザインになりますが、雨水の排水性能が高いのは凹凸がはっきりした製品です。

桟瓦はまっすぐ、棟瓦は平らに

土葺きと現代工法で用いる瓦の大きさの違い

技術的な話になりますが、平板は見通すだけではまっすぐに葺くことができません。

そこで、まっすぐ葺くための目安として「墨出し」の作業をしておきます。この墨に合わせて葺くことで自然とまっすぐになるように印をつけておきます。

この作業によりまっすぐに葺くことが容易になります。(当社では平板以外の瓦を葺くときは目でまっすぐを通します。)

平らな棟は美しいです

棟瓦もまっすぐを通すのは当然ですが、それ以外に平らにしなければなろません。

棟瓦のてっぺんの部分の高さをそろえてゆきます。そうすることですっきりした印象の屋根になります。

地震に対する対策をフルに採用しました。瓦屋根ならではの耐震設計があります。

葺き替え工事のポイント

使用した瓦は防災瓦

屋根瓦でも昨今の災害に対する対応が進んでいます。

写真の防災瓦ではフックの部分を作ることによって隣を固定しています。

このフックの働きによって強風による瓦の浮き上がりや地震による瓦のズレを防止し強度を高めていますので、釘で瓦を止めることによって2重の防災手段を講じることが可能です。

防災瓦の仕組み

半端の瓦もフックで固定しています

屋根の瓦はそのすべてが瓦桟に固定されているとは限りません。理想的にはそうあるべきですが、ほかの場所の納まりとの兼ね合いで瓦を途中で切断して使わなければならないような状況が発生します。

東日本大震災の時にも見られたように、この半端の瓦がズレることによって棟が動いてしまうことがあります。

したがって、この半端の瓦を固定してしまえば強度が増すことになります。私たちはこの、半端の瓦をステンレス製のフックで固定することによって棟の強度を高めています。

フックで半端の瓦を固定している画像

すべての棟瓦が木材に釘止めされています

棟瓦が釘止めされている画像

ページの冒頭にも記載いたしましたが、「強力棟」を棟木に釘止めし、「強力棟」に木材を釘止めします。そして棟瓦はこの木材に釘止めされてゆきます。

右の写真のように工事の段階では木材は黒い南蛮漆喰の中に埋まってしまいますが、釘は木材にまで到達するため、すべての棟瓦は木材に釘止めされます。

したがって、棟瓦が動いてしまうことは決してありません。

 

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